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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 [独書日記]

村上作品は、とくに『風の歌を聴け』など初期の3部作は好きで、『中国行きのスローボート』なども好きな短編作品だが、『ノルウェイの森』以降、興味は失われていた。
『1Q84』も心に響かなかった。

久しぶりに『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を手に取ったが、
村上の初期作品に通じる感じがあり、面白くて一気に読めた。
文中、灰田という青年がつくるに
限定して興味を持てる対象がこの人生でひとつでも見つかれば、それはもう 立派な達成じゃないですか」
と告げるのだが、自分自身にも照らして、そうなのか、とも思えた。

きみはひとりでどこかにいく [独書日記]

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『きみはひとりでどこかにいく』

不思議なタイトルで手に取った。書き込み式の絵本である。

「さばくをこえ、海をわたって、きみはどこかにたどりつきます。かきおえた「きみ」の顔を、じっくり見つめてください。これは、きみだけの成長のおはなしです。」
対象年齢 5才から70代まで、この絵本は自分で人物や風景や台詞やそのほか、絵でも文字でも自由に描き込んで完成させる絵本です。 画材も自由です。 クレヨンでも色鉛筆でも絵の具でもかまいません。 絵に自信のない人は(たいていの人がそうですよね)12色のクレヨンを文房具屋さんで買って来て描くことをお勧めします。 クレヨンでがしがしと、小学生の頃か、もっと前のお絵かきの時の気分を思い出して描いて下さい。
とある。

私の人生がどこに行くのかは知らないが、けっきょく、ただひとりで道を行かなければならないことは確かだ。
その練習帳なのだろうか?

出版社: 太田出版 発売日: 2010/8/5
ISBN-10: 4778312279 ISBN-13: 978-4778312275
大塚 英志【文】/七字 由布【絵】 899円

エリカ 奇跡のいのち [独書日記]

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エリカといっても、エリカ様のことではない。

ドイツのユダヤ人捕虜収容所に向かう列車の中から、奇跡的に生き延びた少女の物語。
命とは何か、戦争とは何かを深く語りかける絵本である。

内容もさることながら、造本も美しい。
先日、訳者の柳田邦男氏の講演会があり、「大人こそ絵本を」と言っていた。
同感である。
私も時々は絵本を求め、頁をめくり、子供小学校で読み聞かせをさせてもらうことがある。

電子書籍が幅をきかす時代、手元に置いて何度もめくりたいのが絵本というものだ。

講談社刊 ルース・バンダー・ジー:文 柳田邦男:訳

リトル・トリー [独書日記]

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「今生も悪くなかったよ、リトル・トリー。次に生れてくるときはもっといいじゃろう。また会おうな」

アメリカ先住民の死生観を表したこの言葉にはいつもグッとくる。
祖父が幼いリトル・トリーを残して旅立つ時の言葉だ。

チェロキー・インディアンの少年の物語「リトル・トリー」は、ロングセラーなので読まれた方も多いと思う。私もおそらく10回以上は読んだ。煮詰った時の清浄剤なのだ。

「なにかいいものを見つけたとき、まずしなくちゃならないのはね、それをだれでもいいから出会った人に分けてあげて、いっしょに喜ぶことなの。そうすれば、いいものはどこまでもひろがっていく」

リトル・トリーの祖母の言葉。先住民の互恵性がよく現れているなどと、ヤボなことはいうまい。

こどもたちがどんな本を読んだらいいか?
ときどき聞かれることがある。そんな時すすめるのがこの一冊だ。

もし読んでいない方はぜひどうぞ!

『仮面の道』 レヴィ=ストロース [独書日記]

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「神話がある住民から他の住民へと移ることによって逆転するのと同じく、同じ意味内容をもつ仮面の造型的様相もまた逆転する」
山口昌男・渡辺守章 訳)

私自身、仮面に以前から興味があり、「仮面の縄文」といった企画展を07年にやったり、今、人面付きの釣手土器のライフヒストリーについての論文(坪井清足先生卒寿記念論文)を書いていることから、『仮面の道』を読んでいる。

絶版のため長らく持っていなかったこの本だが、アマゾンでヒットし、定価6500円を9000円で買った。まあ、適正な古書価格だろう。なかなかスリリングな内容だった。

写真は北米インディアンに伝わる悪魔的形相の仮面、レヴィ=ストロースはその仮面の所有者が異なることによって、悪魔にも神にもなると両義性を説いた。

私たちのペルソナの下には、どのような顔がひそむのか・・・・
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